年下の不良くん《番外編》
「お前は相変わらず楽しそうにやってんなぁ」
「んふふっ、まーね〜取り柄ですから〜」
お酒が回って気分がよくなり、けたけたと面白くもないのに、目の前のイケメンを指さして、大爆笑しながら答えた
「──で、それだけが取り柄の細川さんは、どうしてんな変な顔してんだよ」
長い付き合いをしていると、どうも嘘を隠しきれないらしく、ソッコーで無理をしているのが、口男にバレてしまった
「へー??何が〜??
てゆか、それだけが取り柄って酷くなぁい??」
口男に見抜かれてしまったお陰か、酔いが一気に覚めてしまったのだが、わざと酔ったふりをして話を逸らした
「馬鹿、何がじゃねぇだろ
話逸らすな」
「…はい、すんません…」
イケメンに睨まれちゃったら、本気で怖い…
「俺、お前の友達なんだから、もっと頼ってくれよ、なっ??」
「……ありがとう…」
口男はイケメンで優しいし、聞き上手だから友達も多いし、男女問わずモテる男
そんな男があたしを友達だと言ってくれること自体が、勿体無いなといつも感じている
「……長くなるんだけど、聞いてくれる??」
「おお、ドンとこい!!」
かなり時間を要してしまったが、口男に自分の今の気持ちの全てを話した
話してる途中で胸が一杯になり、涙が出てきてそれはもう口男を驚かせてしまったけれど…
だけど、口男のお陰で少しだけ気分が、すっきりしたのは事実だ