年下の不良くん《番外編》
「田口くんの最後の試合も終わっちゃったね」
先週の日曜日、中学3年間続けてきていた部活の幕が閉じた
小さい頃からサッカーが好きで、小学3年の時から始めてから、一度たりとも止めたことはない
そのお陰か、選抜選手として選ばれた
3年間のサッカーを思い出してみると、悔しい思いも沢山したけれど、その倍嬉しいこともあった
長いようで短かった部活が終わってしまったのは残念だ
だけど、次は高校に行ってもサッカーが続けられるように、まずは目の前の受験を頑張らないといけない
「どう??
推薦で行けそう??」
「うーん…どうだろうなぁ」
強豪校からの推薦を頂けるのが、うちの中学からは一人しか貰えない
同学年でもう一人強い奴がいて、今は俺かそいつかどっちにするか、判断されている最中
もし貰えなかった時の事も考えて、受験勉強は怠らないようにしている
「そっかぁ、でもきっと田口くんなら大丈夫だよ
人一倍の頑張り屋さんだから」
「ふはっ…うん、ありがと」
優しく笑う岡本にそう言われると、本当にそうだと思える
「じゃあ、そろそろ戻ろうか」
「うん、そうだね
じゃあまた後でね、結花と田口くん」
次の時間を頑張れば、もう今日の学校も終了となる
放課後には、いらない優美もいるけど、岡本と帰れるから、後人踏ん張りしようかな
「そんなに好きなら早く言いなよ」
「えっ?!はぁ!?」
教室を出ていく岡本を無意識に目で追っていた俺は、細川に話し掛けられてそれに気付く