年下の不良くん《番外編》
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放課後になると、いつものメンバーで帰るので教室で待っていると、残りのメンバーがやっとやって来る
「二人ともー、帰るよー」
優美の声がかかり四人で帰るが、途中からは岡本と俺達双子となるのがお決まり
「りりかは今日の夕飯何にするの??」
「今日はミンチが残ってるから、それでハンバーグでもするつもり」
「おお、美味そうだな」
岡本の母親が亡くなって、もう一年が過ぎた
あの亡くなる数日前に彼女の母親は倒れて、緊急搬送されたが、容態は悪くなる一方でそのまま還らぬ人となってしまった
おばさんは本当に優しい人で、何度も飯を御馳走になったのを覚えている
そんなおばさんが居なくなってしまったのが、本当に残念で仕方がない
おばさんの葬式の時に実父と初めて出会い、親戚に引き取られそうになる前に、父親がそれを覆した
俺はてっきり父親が岡本と、一緒に暮らすのだろうど思っていたのだが、現実はそう甘くなかったようだ
おばさんが若くして亡くなった事でさえも悲しい事なのに、唯一の親となった父親とも暮らせないなんて、中3の彼女には辛すぎる現実だった
「じゃあね、また明日ね」
「じゃあな」
「うん、二人ともバイバイ」
岡本といつもの交差点で別れて、優美と二人で帰る