年下の不良くん《番外編》
「どうしてあんな優しい子に限って、辛い現実ばかり突き付けられるんだろうね…」
ふと、優美がぽつりと呟いた
「ほんと、そうだな…
岡本には一番幸せになってほしいよな…」
双子だからわかる
こいつもきっと、俺と同じような事を考えてたんだろう
優美は岡本の一番の友達だから、痛いほど岡本の思いがわかっている
「ねぇ、気づいてる…??
りりかの笑顔が前みたいじゃないってことに…」
「うん…気づいてる
…けど、しゃーねぇよ、おばさんが亡くなってまだ半年なんだから」
今の岡本にのし掛かってる物は、受験、母親の
死、実父の疎遠
何よりも苦しいはずなのに毎日笑ってて、見るに耐えれない
だけど、それが彼女自身が苦の壁を乗り越える物なのだろうから、止めろだなんて簡単には口にできない
「…早く、りりかに幸せが訪れてほしいよ」
「ああ、勿論だ…」
今にも崩れて壊れそうな彼女を、もし俺で支えてやれることならば、そうしたい──………