年下の不良くん《番外編》
告白が出来なかった自分が、確かに嫌いだと思った
どうして沢山時間があったのにも関わらず、彼女に想いを伝えなかったのかと、自分を激しく責めた事もある
恥ずかしいくらいの醜い俺の心は、告白をして二人の仲を引き裂き、奪ってやろうかとも一瞬考えたことも、実はあった…
………でも、今なら彼女が彼を選んだ事がわかる気がする
「ふふっ、またそんな事言ったら、武蔵くん怒っちゃうよ??」
「あいつは怒っても全然怖くねぇから問題ない」
楽しそうに…それこそ、おばさんが亡くなる前にしていた笑顔をする岡本を、久しぶりに見た
…俺が隣にずっといても見れなかったのに、目の前の彼には一瞬で見せた
「…仲が良いんだな」
「ふふっ、そうなの」
少し顔を赤らめて頷く岡本の、そんな表情を初めてみた
──ずりぃよな、彼氏が…
「ははっ、そうか
…お前が幸せなら、俺はひと安心だ」
ぽんぽんと、昔していたように小さい彼女の頭を撫でると、彼氏がまたきつく睨んだのが空気でわかった
…別に二人の邪魔をしようと思った訳じゃない
諦めようとしていた想いが、少しだけざわついて、ちょっとだけ彼氏の気持ちを掻き回してしまっただけ
まあ、単に羨ましくなったんだよ…
少し位は、許してくれよな