年下の不良くん《番外編》
───………そして、1ヶ月が過ぎた
「兄貴、じゃあ俺帰っから」
「おお、お疲れ
サンキューな」
兄貴の店の手伝いを済ませて、近道を探そうといつもと違う道を歩いていると、突然不良に絡まれた
多分中学の時に暴れ回ってたから、そん時にでも俺の顔が知れ渡ったんだろう
売られた喧嘩は買う主義の俺は、無視することなく買い、結果、傷は出来たが勝った
昼頃から降り始めた雨は本格化していた
雨宿りでもしようと、近くにあった公園のベンチに横になると、そのまま意識を失った
────………
目が覚めれば、気になっている女が居て、俺は我慢出来ずに意味不明な告白をしていた
訳のわからない告白の仕方に、自分でも格好が悪いと感じる
でも、そうしてでも彼女の近くにいたいと、ここ1ヶ月で思うようになってしまっていた
もう目で追うだけでは、物足りないのだ
肩を揺らして優しく笑う彼女の隣に、俺がいたい
その笑顔を俺だけに向けて欲しい
……ああ、そうか
きっと俺は、保健室で会ったあの時既に、彼女に心を奪われていたに違いない
──俺の一目惚れ
今まで恋愛ぽい物を事はあったが、こんなんじゃなかった