年下の不良くん《番外編》
数年後
岡本りりか
────数年後…………
「──ただいま~」
実家の門を潜り大きな玄関に入ると、沢山の使用人が出迎えてくれる
「お帰りなさいませ、お嬢様」
その中でも嬉しそうに駆け寄ってくるのは、高校時代の時に運転手をしてくれていた橋本さんだ
「わぁ、橋本さん!!
元気そうで何よりです」
この間ここに帰ってきていた時は、丁度橋本さんが休暇で会えなかったのだ
「お嬢様もお元気そうで
翔様もお久し振りで御座います」
「こんにちは、お久し振りですね」
隣を見え上げると少しだけ口を弧に描いている翔くんがいて、今日は家族皆で実家に帰ってきている
「はしもとしゃん、こんちわー!!」
「また大きくなられましたね“海鈴”様」
めでたく数年前に翔くんと結婚を果たした私達の間には、海鈴(かいり)という小さな宝物に恵まれた
そして───
「…んにゃ……」
「お、起きたか」
翔くんの腕の中には、数ヵ月前に産まれてきてくれた女の子がいて、名前は瑠璃(るり)
「瑠璃様も、元気そうで
…ささ、早く座敷の方へ
旦那様がお待ちです」
割りと頻繁にここに来るようにしていて、前に来たのは2週間ほど前だった
そうしないと、父やお義母さんが早く帰ってこいとせがむのだ
つくづく、自分は両親に愛されているのだと感じる