年下の不良くん《番外編》
胸を締め付けるのような苦しみや、喜び、悲しみ
これが本気で好きになると言う事なのかと、この歳にマジの恋をした俺には分からなかった
ただもう、“岡本りりか"と言う彼女しか欲しくなかった
他の女なんていらない
りりかが俺のことをそんな風に思っていなくても、必ず好きになってもらえるように、俺が動けばいいだけの話だ
それでも駄目なら潔く諦める
「お前、りりかちゃんと付き合ったんだろー??」
目の前の武蔵は昼飯のパンを口いっぱいに頬張り喋るから、俺にパンのカスが飛んできて汚い
「まぁ…いろいろあったけど無事」
「どうどう??
りりかちゃんの飯美味いっしょ??」
「あ??
お前食ったことあんのかよ」
こんな下品な食い方しか出来ない野郎に、りりかの飯を食わせるなんて勿体な過ぎる
「当たり前だし〜
…つーか何、独占欲丸出しにしてんだよ
らしくねぇな」
「……………」
らしくない、か…
確かにらしくない
女の事をこんな風に思うなんて、今まで無かったからな
しょうがない、俺がベタ惚れなんだから