隣人警報ー甘い囁きにご注意をー
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猫を渡して、一人で帰ろうとした。
こいつ、人の気持ちも知らずに!
「待って、その…ごめん。」
私の腕を引っ張る手が強い。
「…亮がさいてーなの変わりないけどね。」
「ごめん、からかった。
奏の反応が、その…」
何?ごにょごにょ言わないで、
はっきり言ってよ。
「…本当ごめん。気分悪くさせて。
その…男苦手なの忘れてた。」
「え、それ、亮に話したことないよね⁇何で知ってるの⁇」
「…知ってる。」
なんで?
私、あなたのことを知って一週間くらいしか経っておりませんが⁇
「…思い出せないんだな。」
「何を⁇亮って何なの⁇」
よく考えてみるとおかしい話だと思う。
知り合って間もない関係なのに、
思い出すも何もない。
それに、
キス寸前までしちゃう冗談が通じる関係なんかじゃない。
「…誰なの⁇」