隣人警報ー甘い囁きにご注意をー





**





猫を渡して、一人で帰ろうとした。


こいつ、人の気持ちも知らずに!




「待って、その…ごめん。」


私の腕を引っ張る手が強い。


「…亮がさいてーなの変わりないけどね。」





「ごめん、からかった。
奏の反応が、その…」



何?ごにょごにょ言わないで、

はっきり言ってよ。



「…本当ごめん。気分悪くさせて。
その…男苦手なの忘れてた。」



「え、それ、亮に話したことないよね⁇何で知ってるの⁇」








「…知ってる。」




なんで?
私、あなたのことを知って一週間くらいしか経っておりませんが⁇





「…思い出せないんだな。」



「何を⁇亮って何なの⁇」





よく考えてみるとおかしい話だと思う。


知り合って間もない関係なのに、
思い出すも何もない。


それに、
キス寸前までしちゃう冗談が通じる関係なんかじゃない。







「…誰なの⁇」

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