隣人警報ー甘い囁きにご注意をー





**






正直、キスされてしまうと思った。



そして、不本意ながら、されることを
望んでしまった自分もいた。



結局、あのあとはぐらかされて…


気まずい雰囲気のまま、
亮は猫を連れて帰った。




ーーキーンコーン…







先生「HR始める。起立、礼。」










HRは
明日から、校内服装検査があるとか
登山部のボルダリングの一部が破損して今日、業者が来るから
それまで触るなとか、

正直どうでもいいものばかり。







冬の空は
空気が澄んで
夏より一層蒼さが増す気がする。





先生「来週からテスト期間だ。
クラス平均必ず90点以上を取るように。」








長いな。HR…




平均90点とか
取れるわけないし。








見つめた窓ガラス。


窓の外には、カラス。


何か咥えてる。







ーーーガタッ!!




「…⁈」



昨日の猫ーーー⁈



先生「おい、三上⁇どうした?」



「え…」


あ、席立ってる。


クラスメートがみんな私を見ている



「奏?どーしたの⁇」


綾音が不思議そうに話しかけてきた。




あ、どーしよ





「…頭痛いんで早退します!
今日、風邪気味で!!」





鞄を引っさげ
ダッシュで教室を出る。


先生「あ、え、早退?ちょっと!」



色々察した綾音が手を上げた。


「せんせー、
今日、三上さん熱っぽくて。
45℃あるみたいなんです!」



先生「そっか 45℃ね…
そっか…仕方ないよね。」









この後、私と綾音はみっちり怒られるなんて知る由もなかった。

そして綾音は、保健と生物の教員にみっちり勉強をさせられた。




*注意

人の体温で42℃が2時間以上続くと
死の危険性があります。

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