隣人警報ー甘い囁きにご注意をー
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「奏、目の下クマできてる。」
朝から、メイクばっちりの綾音。
「昨日、ちょっとね。」
「下地貸そうか⁇」
とカバンのポーチを漁っていた。
昨日は考えすぎて眠れなかった。
あのメガネ地味男クン
=お隣の強引多重人格
=瀬名 亮
私の頭の中では
この公式が全く成立しない。
瀬名さんは…
まだ来てないのか。
どっちの瀬名 亮で登校するんだろう。
『え⁇嘘ー⁈』
『あれが⁇』
廊下、なんか騒がしいな。
「奏!見た⁈今の瀬名くんだって!」
そうか、
私、まだ綾音に言ってなかったんだ。
「綾音、その瀬名くんだけどさ、
うちの隣に引っ越してき…」
突然、口元に大きな手が置かれた。
「三上さん、おはよ。」