ナムストーンPART2

研究発表6

みんなが戻ってきて最後のキーツカーンの研究発表が始まった。
テーマは『共鳴』だ。

ナムストーンは心のセンサーとして所持者の心の状態を
色彩と明度輝きによって表現する。真空中でもそうなのかと
疑問は湧くが間に遮蔽物を置いても何の影響もなく変化する。

それも心と同時である。逆にナムストーンと念じることによって
その明度色彩輝きをより明るく鮮やかな方向へと変化させることが
できそうなのだ。心をコントロールすることが可能になるかもしれない。

この効果は個人だけのものではなさそうだ。ナムストーンどうし
が影響を与える。まさに共鳴だ。かなり遠方でもそれは可能のようだ。

現実にレイは猟銃を向けられていた時耐えがたい強烈なエネルギー
を感じている。ナセルもバス爆破事件の時にみんなの祈りの力を
感じているし、キーツ自身もラインの濁流を駆け抜ける時に

みんなの顔が浮かぶほど強烈な念力を感じている。時空を越えて
ナムストーンの波動は伝播する。瞬時にどこにでも、それこそ
五人が念力を合致させれば何が起こるか分からない・・・?

キーツはテレパシーやテレポートなどの超自然現象を列挙した。
そして最後に一人ひとりの顔をじっと見つめながらキーツは言った。

「今我々はこの超自然現象を体験できる当事者としてここにいる」

さて五人の研究発表はひとまず終わった。まとめてみると、
ナムストーンは人の心を映す不思議な石だということ。石どうしで
感応共鳴し増幅されて大きな何かを現出しそうだということ。

よく似た光る石の存在。光る時期が一致しているようだということ。
警告や予知の可能性を秘めているということ。ナムストーンは
宗教ではないということなどがはっきりしてきた。

意見交換が始まって、まずオサムオサナイの予知の様子を詳しく
再現してみることになった。

まずはじめに胸騒ぎがする。石を見ると濃い灰色で透明度も悪く
輝きもない。祈ってもなかなか明るくならないので不安がつのる。

それから数時間後に何かが起こる。ナムストーンを持ってる
ものの身に何かが起こる。ナセルが自爆テロに出くわした時、
テレビにテロップが流れて続いてナセルの顔がテレビに映った。

みんなからのメールが入りみんなで祈り始めると石は明るく
輝き始めた。次は阪神大震災のときだ。寝る前に強い胸騒ぎ
を感じて石を見ると真っ黒く震えている。

いくら祈っても明るくはならなかった。疲れてそのまま
眠ってしまった。その明け方オサムオサナイは大地震に遭遇した。
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