ナムストーンPART2

古知平4

「なんとなく分かってきたぞ」
キーツが叫ぶ。ケルンもナセルも
大きくうなづいている。

レイもうれしそうにうなづく。
なんだか昨日よりも身体が軽くなったみたいだ。

みんなは古知平平原一杯に広がった。
天空斜め60度、右手にナムストーンを握り締めて
腕をまっすぐに伸ばす。

オサムの合図でいっせいに各自
ナムストーンを唱えて上昇する。

スススーッと平原の中央100mくらい
のところで円陣が組めた。

角度は60度だ。空中で停止している時は
この角度が一番安定している。身体も楽だ。

移動飛行する時は今までのように水平になる。
昨日と同じコース、鞍馬、貴船から宝ヶ池を
まわって八瀬、大原へと戻る。

着地はどうしても5人同時でないとむつかしい。
今度はもっと広がって時間を決めて斜め45度くらい
地上数百メートルで浮上集合を試みたいとみんなが思った。

昼食を食べながら地図を広げる。
古知平から国道477号線の山道を西へ抜けると
百井(ももい)という村へでる。

平家の落人村の歴史があって農家が数十軒、
水田と畑がわずかな盆地に広がっていて
機織(はたおり)の音も聞こえる。車で古知平から20分くらいだ。
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