ナムストーンPART2

天狗岳6

まだ灯のついている山門前にいるはずの
ナセルがいなかった。またもや見当たらない。

下りて周囲を探し始めたら向こうからそれ
らしい人影が歩いてきた。ナセルだ。

ナセルは不審者だと思われ警察に通報されて
二人の警察官に身柄を拘束されれていたのだ。

パスポートを見せ、今実験中だといっても
ますます不審がるばかり。

京都中央ホテルに確認し今やっと解放された
ところだった。さてさてこれは失敗だ。

レイは何かおきたと感じて高台から引き上げ
”ひらや亭”のロビーでみんなを待っていた。

ほどなく車の音がしてみんなが帰ってきた。
キーツがかすり傷くらいで皆元気だ。
夜は何が起こるかわからない。

(オサム)「いよいよ明日の夜は本番。
8時からの40分間が勝負です。何が起こるか
わからないので朝一番ナムストーンをしっかりと

唱えて万事臨機応変、慎重に行動しましょう。
大文字の夜天空より舟を呼ぶ、を信じて」

みんなは顔を見合わせ大きくうなづいた。
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