★恋は曲者ッ★
「美月ちゃん、遅かったなぁ。何しとったん?」
真由の顔が
私をのぞき込んだが
今はそれどころではない!!
心臓が飛び出そうなくらい
どくんどくんと
体中に血を送っている。
さっき走ったからなのか
それとも…
「帰ろか」
アタシは一言だけ
真由に言って
先に歩き出すと
その後を真由が
ひょこひょことついてきた。
アタシが一目ぼれぇ~!?
ありえへん…
ありえへんって!!
今までの苦労は~!?
家に帰ってからずっと
頭の中で悶々と考えていたが
ふとあることに気づいた。
ん!?
そうや!!
アイツを落とせばええんやん!!
今までしたことなかった
一目ぼれ。
これぞまさに
今までの努力を試す
チャンスなんと違う!?
…
絶対そうや!!
アタシの頭の中には
過去の経験を通して
いつの間にか
ポジティブという名の虫が
住み着いていたのだ。