★恋は曲者ッ★
~美月~
「ッ…ハァハァ、ゲッホゲッホ!うぇ…」
情けないほどむせかえるアタシ。
アイツ~
やっぱ男やなぁ~
走るん速すぎ!
このアタシをまくなんて…
アタシは地面に座り込んで
まだハァハァと荒い息を
落ち着けようと
静かに目を瞑った。
今日は…
諦めるか…
悔しいけど!!
それにしても
ここどこやろ~
は!?
「かっ、帰られへんッ!!」
アタシが目を開けて立ち上がると
鼻がこすれるくらいの距離に
アイツの顔!?
「わゎっ!?なんやねん!?」
奏多君が飛び退いた。
「ご、ごめんなさいっ!」
アタシはとっさに頭をさげる。
「アンタ…一体誰?」
奏多君が怪訝そうな顔をして
アタシに尋ねてきた。
ほぇぇ~
間近でみると
さらにかっこいい~
アタシはまたもや
奏多君に見とれてしまった。