★恋は曲者ッ★


奏多君は右手のコップをコトンと床に置いた。




「それってさぁ、俺にお前のエゴを押し付けてるわけ?」




さっきまでの優しい感じとは打って変わって

鋭い目つきでアタシを睨む奏多君。




「エ…ゴ?」






「だってそうやろ?今の聞いてたら自分勝手になんでもかんでも押し付けてるだけやん」





奏多君は相変わらず怒ったような表情で

アタシに迫ってきた。



そして…







バンッ







急にアタシの背中に畳が打ち付けられた。

真上には奏多君の固い表情。

アタシは奏多君に押し倒された。






「な…に?」




心臓の音がまたしても激しく鳴り出す。






怖い…







「恋愛はボランティアちゃうねん」




冷たい口調で言い放たれ

アタシは開放された。










アタシを離した後

奏多君は悲しそうな顔をしていた。









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