★恋は曲者ッ★



「失礼します」




ドアをスライドさせ

アタシは中に入った。



「おう、遅かったな。先生今から職員会議があるから、あとは頼んだ」




「はぁい…」




アタシは中にいる

3人の視線を背中に感じて

先生がドアから出て行くのを見送った。







向き直って

一番に目についたのは


やっぱり奏多君だった。


アタシの顔を見ながらだるそうにシャーペンをクルクル回している。





その綺麗な顔立ちに

やはり見とれてしまうアタシをよそに

奏多君はまたプリントへと目を落とした。




アタシはその隣に座って、アタシの立ち尽くす姿を

じぃ~っと見ている二人に目をやった。



女の子の方は、思った通りのケバケバで

アイラインがこれでもかというようにくっきりとひかれている。

その気の強そうな目がアタシとぶつかった。



< 54 / 61 >

この作品をシェア

pagetop