冬桜 −二度咲くモノ-
これは誰にも付け入らせないための武器。


まわりに『妖艶』と言われるこの笑顔を出すのが、人を一番手っ取り早く黙らせられる。


すると、

「・・・・ごめんなさい。仕事終わりで疲れているのに、看病してくれてありがとうございました。」

と見送りに立とうとするので、丁重に断り、一人部屋を出た。



この時の軽はずみな行動が、自分の首を絞めることになるとは全く思いもしないで、ただただ聖に対して、言葉に出来ない苛立ちを感じていた。




それから聖は店に来なくなった。
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