冬桜 −二度咲くモノ-
落ち着かせてから聖の部屋をノックした。

聖は眠っていた。


昨日よりも明らかにやつれ、顔色が悪くなっていた。


じっと、聖の顔を見つめていたが、そろそろ家に帰らないといけない。


後ろ髪を引かれるっていうのは、こういうことなんだろう。


また、聖の顔が見れるのは来週だ。


次に来た時に、聖は生きているだろうか?


答えがないから、ためらう。


今、離れたら一生、聖の声を聞くことは出来ないかもしれない。


私に微笑んでくれることは、もう二度と・・・・。
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