冬桜 −二度咲くモノ-
苦しすぎて、どうしていいかなんて決めることが出来ず、私は病院を飛び出していた。


ただひたすら、走り続けた。


気がつくと、あの桜の木が目の前にあった。


鈴菜との思い出が溢れてくる。


私の命よりも大切なんだよ。


さっきのがなんなのかわからない。


幻なのか現実なのか。


でも、あれは鈴菜の正直な気持ちなのかもしれない。


今まで私のわがままでずっと機械とつながって、生きさせられていた鈴菜。


鈴菜、もう一度お姉ちゃんに声を聞かせて。

もう一度、笑いかけて。

お姉ちゃんどうしたらいい???
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