冬桜 −二度咲くモノ-
しばらくすると、医者が部屋に来た。


「奇跡としか言いようがありません。妹さんの心臓は、移植可能です。」

と。


今から私が告げようとしている言葉は、私が私自身の手によって鈴菜の死を決めてしまう。


全身が震える。

怖くて怖くて、狂ってしまいそうだった。

こんなにも、死にたい気持ちになったことはない。




だけど、それじゃいけない。
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