冬桜 −二度咲くモノ-
父は母が出て行ってから、がむしゃらに働いた。


何も考えたくなかったのかもしれない。


未来など見ず、目の前の生活のみを考えていた。


死んだあと何も残らなかった。

借金もないが財産もない。


私はすでに、人生に期待などしなくなっていたし、夢も特に持っていなかったから、大学へは行かず就職することにしていた。


妹には高校を卒業してほしかったし、希望すれば大学にも行かせてあげたかった。
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