隣の席のミルクチョコ【企画】
そう思って滝くんの背中を眺めていたら
「アンタ歩くのも遅いの?」
「っ、ごめんっ」
普通に話しかけてくるし。
あれれ…?
まさか、あたしの思い違いだった?
「ねえ滝くん」
「なに」
「意外だよね、すっごく。滝くんとチョコの組み合わせって」
嬉しい。
滝くんが話してくれて、嬉しい。
一緒に帰れるなんて、嬉しい。
「うっせぇな。ほっとけ。つーか倒置法で強調すんな」
「えっ?え?とー…ち法…?」
「はぁ………これだからバカは」
歩いている間も参考書片手に持ってる。
その参考書はいっぱい付箋が貼ってあって、マーカーもたくさん引いてあった。