隣の席のミルクチョコ【企画】
お前が好きだ
ある日の放課後のこと。
「…おい」
「……んんっ」
「ここで一晩過ごす気か?寒さで死ぬぞ」
目を開けると、夕日に照らされた教室。
そして誰もいない教室。
目の前には……滝くん。
「…あたし…寝ちゃった…?」
「帰りのSTのときにはもう寝てた」
「うっそぉ……」
手を、目の前にいる滝くんの方へぎゅーっと伸ばす。
「…で。滝くんは何でここに?」
もうみんな下校していて、勉強優先の滝くんならさっさと帰ってる時間なのに。
「………と、図書室に行ってた」
「図書室?なんで?」
「〜っ、いいだろ!別にそんなのは!」
あれ?
滝くん、今日はなんか様子がいつもと違くない?
いつもはもっと自分に自信があって、あたしのことを見下してるみたいな
そんなしゃべり方なのに。
今日は少し焦ってるように見える。
顔も、夕日に照らされてるせいかもしれないけど、赤く見える。