歪み
「違っそんなんじゃないよ」
どろどろのあたし。最低。
歪んでいく。
拓の手が伸びてきていつもより少し強引に
あたしの頬に触れる手。
何故か拒絶もしないあたし。
どうすればいいのかわからなくて。
「俺が今まで
ずっと傍に居たのは何でだと思う?」
「わから、ない」
「真柚が誰かに取られないためだよ。
俺は優しくなんてない。
いつだって真柚でいっぱいで。
振り向いてくれないならもう
優しくなんていれないよ」
…あたしだって馬鹿じゃないから
拓の言ってることがわからないわけじゃない。
理解したくないだけだ。