歪み
紅梨との事があってから
真柚は心から笑わなくなった。
時々思い詰めたように空を見上げて。
俺はそんな真柚がまた笑ってくれるまで
守り続けようと思ってた。
それすら、
真柚には重荷だったのかもしれない。
距離を置いてほしいと言われて
初めて気付いた。
まさかその後に佐野と
関わるようになるなんて…。
佐野は同じクラスだったが
俺と正反対のようなやつだった。
いつもだるそうで常に周りに女子がいた。
一緒に帰っている女子も
しょっちゅう変わっていた。
苦手だったし何より嫌いだった。