歪み
「佐野、話があるんだけど」
「え?あぁ。そゆこと」
俺より少し身長が高い佐野。
馬鹿にしたような瞳に苛々する。
「橘真柚、知ってるよな?」
「あぁ」
「真柚をどうするつもりだよ。
あいつを他の女子みたいに遊び感覚で
近寄ってんなら真柚に関わんなよ」
しばらくお互い睨み合ってた。
「お前こそ、橘さんの何?
随分偉そうだけどさ」
その言葉に少し恥ずかしくなった俺は
あの時点で負けてたんだろう。
何かに。