歪み
5章
01
「…ずっと起きてたわけ」
「うん」
「いつから聞いてた?」
「先生いないねー的なとこから」
「嘘じゃないよね」
「うん」
何か俺に聞かれちゃまずい話?
逆に気になっちゃうけど。
気のせいかな何かあんまりこっち見ない。
「ねぇ」
取り敢えず近寄って手首を掴んでみる。
何故だか橘さんは
距離を縮めても全然効果がない。
結構これだけでころっといく女子多いのに。
「何?」
「大丈夫かなって思って」