歪み
えっ。
よく考えたらあたし最低なこと言って
出てきたんじゃなかったっけ…?
どうしよう。佐野有の顔なんか見れないよ。
相変わらずあたしの肩を掴んだままだし。
「あ、の!
あたしもう平気だから皆のとこ帰るね。
それに着替えもしてないしね」
うわ。わざとらしい。
「は?何言ってんの」
もう、さっきの伊東君のせいで…。
何もかもぐちゃぐちゃになっちゃったじゃん。
て。人のせいにしちゃ駄目か。
「ごめんね。さっき。
あたし、余計な事言った…よね」
恐る恐る顔を上げると
驚いて目を見開いている佐野有。
…ち、近い。