歪み
02
「…っあたし、ごめ…」
気付いたら教室にやって来ていた。
あたし。また逃げたんだ。
「あ、真柚っ!!大丈夫?」
「もう平気なの?」
あたしの心配をして駆け寄ってくる二人に
何故だか苦しくて涙が出そうになった。
…こんな最低なあたしなのに。
ゆずの顔を見て黒い感情が渦巻く。
そんな自分が後ろめたくて。
「ゆず、ごめんね」
「え?何何〜。どうしたん?」
そんな時にもおどけた振りして
本当はわかってるの知ってる。
「いたんだ。佐野君、保健室に」
「そんなの、
真柚が謝ることじゃないでしょ。
それより無理して戻ってきたりしてないよね?」
…どうしてよ。何でそんな優しいの。