歪み
教室に入りいつものように装って
お昼を食べる。
必死に余計なことを考えないよう
心に蓋をした。
予鈴が鳴り、ゆずが教室に帰った後
花奈がポツリと言った。
「真柚、自分を犠牲にしたって
良いことないよ」
その言葉にあたしは涙が出そうになった。
唇噛み締めて俯く。
あたしは
今まで人を犠牲にしてしたんだ。
歪んだ考えで自分を正当化して。
何も知らないままで。
人が傷付いているのに、
戻 れなくなるまで気付けなかった。
遅すぎるんだよ、全部。