歪み
無言の電車。
拓の雰囲気に落ち着いてしまうあたし。
ずっと拓に甘えてきたせいだ。
本当は自分の整理のつかない感情を全部。
全部聞いて欲しい。
拓は優しくなんかないって言うけど、
あたしは拓が優しいこと知ってる。
きっとあたしが泣いていたら
手を差し伸べてくれることも知ってる。
そうやって自分の感情を犠牲にしてた。
これ以上拓を傷付けるなんて出来ない。
なのに、なのに。
視界がぼやけて仕方ない。
ぎゅっと唇を噛み締めて俯く。
きっとあたし、酷い顔してる。