歪み
その瞬間あたしを掴んでいた手が緩んで隙が出来た。
ふっと隙間から抜ける。
合気道をやっていたからその位は出来る。

「それ、返す気がないならいいです。
どうせロック掛かってるから
そう簡単に使えるものじゃないし
使われて困る情報も入ってないから」


…もうあなたと関わりたくもないし。
って言いたかったけど止めた。
また言いがかりとか付けられたくないから。

腕時計を見つつ昇降口に入る。
結構…話してたみたいだ。
拓と一緒って事はF組か。
道理であんまり見たこと無いはずだ。
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