歪み

ぐわーん。
急に頭を殴られたような衝撃が走った。
途端に視界もぼやけていく。


「俺…俺ずっと
自分自身を恨んでた。
どうして瑞穂のこと無理矢理にでも
奪わなかったんだって。
怖くて逃げただけだって。
ずっと繰り返してただけだった…て。
…何してたんだろ、俺。

折角好きな子が出来たのに…
取り返しのつかないことしてしまった」


「…泣いてるの?
有もう…いいんだよ。
きっと間に合う。だから


前に進んで。
有が今思い浮かべているのは誰?」


ぽん。と瑞穂が俺の肩に手を置く。
何で…何で知ってんだよ…?



< 207 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop