歪み
ぐわーん。
急に頭を殴られたような衝撃が走った。
途端に視界もぼやけていく。
「俺…俺ずっと
自分自身を恨んでた。
どうして瑞穂のこと無理矢理にでも
奪わなかったんだって。
怖くて逃げただけだって。
ずっと繰り返してただけだった…て。
…何してたんだろ、俺。
折角好きな子が出来たのに…
取り返しのつかないことしてしまった」
「…泣いてるの?
有もう…いいんだよ。
きっと間に合う。だから
前に進んで。
有が今思い浮かべているのは誰?」
ぽん。と瑞穂が俺の肩に手を置く。
何で…何で知ってんだよ…?