歪み
今でもよく覚えている。
あれは小学校6年の頃だった。
「真柚、どうしたの?
何か元気ないけど」
「ちょっと、具合悪いみたい。
だから今日…おばさんにご飯大丈夫って
言っといて」
「わかった」
よく真柚のお母さんは帰りが遅くなることがあり
真柚はたまに家でご飯を食べていた。
「母さん、今日真柚具合悪いから
ご飯いらないって」
「あら?そうなの。
じゃあお粥作るから持って行ってあげなさい」
ほかほかのお粥をもう持って
真柚ん家のインターホンを押す。
が、返事はない。
心配になって玄関のドアを開けると開いていた。
「真柚ー!いるー?」