歪み
「…拓…?」
暫く経った後、真柚が起きた。
「あ、真柚。
具合悪いみたいって言ったら
母さんがお粥作ってくれてさ。
食べる?」
「…うん」
寝起きの真柚は大抵ぼーっとしている。
ただ静かにお粥を食べる姿を横目に見ながら
何も聞けずにいた。
「拓、ご飯食べたの?」
「…あ、忘れてた。
まぁいいよそんなお腹空いてないし」
「…食べる、これ?」
「いや大丈夫だよ。真柚が食べなって。
具合悪いの治らないからさ」
突然真柚は涙を流し始めた。
「えっ!?真柚大丈夫?
どうしたの?」
「…嘘なんだよ、具合なんて悪くない…」