歪み
「真柚っどうしたんだよ、
今日学校で何があったんだよ」
慌てて聞いてみても首を横に振るばかり。
こんなこと初めてだった。
俺は聞くことを諦め、
ただ真柚の手を握った。
「…真柚、何で言わないの」
暫くしてもう一度聞いた。
真柚はまた泣き始めて、
「ともみちゃんがっ
何でも拓に言いつければいいと
思ってるんでしよって…」
泣きじゃくりながら言う姿に
はっとした。
今まで守ってあげてるつもりだった。
全然真柚の事見れてなかった。
「…拓、もうっあたし大丈夫だから、
一人で平気なの…
だからっ…放っといてよ…」
苦しそうに呟いた声。
俺が真柚を苦しめてたんだ。