歪み
2,変化
中1になってすぐのことだった。
「拓、この子紅梨って言うの。
あたしの…友達っ」
その日の帰りは珍しいほど笑顔だった。
突然の友達の紹介に戸惑いを隠せなかったが
友達が出来た事に素直に喜んでいる
真柚を見ると俺も嬉しくなった。
だが、嬉しくもありながら
少し寂しくもあった。
紅梨と紹介された子は、
短い髪を2つに結びにした気の強そうな子だった。
まだ探り探り話す真柚だったが、
その内慣れてきて
いつしか3人で過ごすことも増えた。
その頃の真柚は初めて出来た友達に
とても嬉しそうだった。