歪み
サッカー部で練習した後着替えていた時、
「なぁ、加藤ってさ
お前に近付くために橘さんと友達に
なったらしいじゃん。
どうなのそれって」
初めて聞く話だった。
「えーそれ、馬鹿じゃね?
だってお前と橘さんって
付き合ってんじゃなかったっけ?」
「っ付き合ってねーよ」
「マジかよ、だとしても
加藤は無いだろ。気、つえーし怖くね」
そんなの、根も葉もない噂だ。
紅梨がそんなやつなわけ無い。
なのに、なのに
何処か信じきれない俺に苛立つ。
実際…たまに紅梨が、
わからなくなるのだ。