歪み

次の日真柚の家に迎えに行っても
真柚の姿はなく。

「あら、真柚…もう行ったけど?
聞いてない?珍しいわね」

自分が情けなくて仕方なかった。
クラスでは流石に無視したりはしなくて
はたから見たら普通に話している風
だったと思う。
けど、確かにいつもと違う。

「…真柚と拓どうかしたの?」

紅梨が不思議な顔して尋ねると

「拓が酷い事言った」

と、俺を睨む。
全く俺の立場どうしてくれるんだよ。
まぁ自業自得だけど。
真面目に何とかしないとなと思っても
どうしようもない。

何しろ長い付き合いでも
ここまで怒られたことがない。
紅梨絡みだから紅梨にも相談できないし。
そして、俺が相談したのは

「高見、今日ちょっと部活帰り
付き合ってくんない?」

小学校から一緒にサッカーをしている
男友達の高見だった。
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