歪み
「痴話喧嘩?」
「ちげーよ」
高見はクールというか無表情で冷たいと言うか…
思った事をずばずば言う。
けど、嫌味じゃないから不思議だ。
苦手な人はいるが嫌っている人は少ない。
隠れファンも多いが相手にしていないようだ。
近くのファミレスに寄る。
「で、何なの?」
…何から話せばいいか。
「単刀直入に聞く。
怒らせてしまったらどうすればいい?」
珍しく高見が驚いた顔をした。
暫く黙った後…
「なんの話だ?意味がわからん」
…!あぁそっちの驚きか。
「…真柚を怒らせてしまったんだよ」
「橘を?」
「うん」
「怒らせた?」
「うん」
「何でまた?」
そうだよな。滅多な事じゃ怒らないもんな。
「ごめん。話題を変える。
加藤 紅梨についてどう思う?」
自分で言っておきながら
聞くべきじゃなかったと少し思った。