歪み
高見に急かされながらも
月日は過ぎ去り本格的な受験が
もう目の前にやってきていた。
「受験生にバレンタインなんて
酷いイベントだよな」
「お前はいいだろ。
橘からどうせ貰えるんだから」
「いや、何か今年はあげられないって
言われたよ。すでに」
そう言うと高見は急に神妙な顔をした。
「ん、どうした?」
「…いやまぁ、
お前本格的にやばくなってきたな。
まっ頑張れや。
ある意味自業自得だから」
またまた突然意味不明なことを言う。
「何なんだよ、ほんと」
その時は笑ってた。
何にも知らなかったから。