歪み
「ちゃんと会ったよ。
んで、聞いたよ二人のこと。
全部は話してくれなかったけど」
やっぱり真柚にあの事は言えない。
でも今日の紅梨を見て思った。
きっと、本当に真柚を傷付けたいと
思っているんじゃないって。
何か理由がある。なのに言わない。何故だ?
「拓…?」
「…紅梨、真柚と話したいって言ってた。
俺はお前達の事仲直りさせたりなんて出来ないけど…
話すぐらいしてくれよ。
俺等幼馴染みだろ?」
俺はあまりにも無力で、
2人の関係をどうする事も出来ない。
でも、迷っているわけにもいかない。
何があったって俺は
真柚を守ると決めたんだ。
だから…そんな辛そうな顔をしないでくれよ。