歪み
花奈の神妙な顔に動揺してしまう。
可笑しな鼓動を隠すように笑った。
「何、急に。いないって」
「じゃあ…F組の速水君は?」
どきん。
あたし今どんな顔しているんだろう。
何で…花奈が…
目の前の花奈の顔といつかの紅梨の顔が
ぐるぐる回る。
どんどん鼓動がおかしくなる。
話さなきゃ…きちんと。
「…速水君は…同じ中学だったの」
「そうなんだ、そっか」
花奈が納得したように頷いていつもみたいに笑った。
どうしてそんなこと聞いたの?って
言いたいのに口が動いてくれなかった。
「…もし付き合ったりとかあったら
ちゃんと、言ってね」
「うん」