歪み
6,別れ
紅梨と俺達の関係は修復することもなく、
更に溝は深まる一方だった。
徐々に俺と真柚との関係も歪みつつあった。
何もかも分からなくなったまま
俺達は卒業式を迎えようとしていた。
「…拓、今日は先帰ってて」
何で?って聞こうとしても聞けなかった。
「うん、わかった」
何が真柚のためで何てもう分からない。
久しぶり高見と帰ることにした。
「なぁ高見。明日で卒業式だってな」
「お前との腐れ縁もサヨナラだな」
「腐れ縁って…そんな一緒に居なかっただろ」
「お前は橘がいるからな。
でも、俺としちゃ長いほうだぜ。
小学校も大体遊んでたし中学でも
何だかんだ部活一緒だし。
くだらん相談もされるしさ」
…くだらん相談ってひどいだろ。
「ん。ありがとな、いろいろ」
「気持ち悪いからやめろ」
とことん失礼だな。高見らしいけど。
「俺さーやっぱ紅梨の事ふに落ちないな。
何でわざわざあそこまでする必要があった訳?」
そう言うと高見は突然黙り込んだ。
何だよそれ、意味深過ぎるだろ。