歪み
「拓、卒業だね」
「うん。結局高校も同じだけどね」
「…だね。紅梨来なかったね」
「…うん」
真柚の辛そうな顔。
何回見てきたことだろう。
我慢しないで泣いていいよって
そう言ってた頃とはもう違うんだな。
いつか真柚は俺から離れていく。
そんな気がした。
ただ、考えたくなくて
ずっと一緒にいたいと思ってしまう。
「真柚。俺、まだ好きだな…
多分真柚の事」
何故かそう言っていた。
「…うん。ごめんね」
そう答えた真柚の真意はわからなかった。