歪み
花奈の後ろ姿をぼんやりと見ながら
1人図書室に向かう。
花奈は自転車通いであたしは電車だから
どうせ図書室に行かなくったって1人なのに。

「また図書室かよ。ちょっと付き合え」

下を向き気味で歩いていたら耳元で声がした…
ような気がした。
誰…?あたしに話し掛けているの?
顔を上げ振り向くと前の人も振り向いて
ちらっと感情の無い目であたしを見下ろした。
窓から差し込む夕日が表情を曖昧にする。


…綺麗だななんて思った。

「どうして?まだ何か用なの」

関わりたくなかった…のに。
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