歪み

本当に拓は最寄りの前に降りて行った。
もしかしたらあたしに気を使って
わざわざ降りたのかもしれないけど。
そんな優しさがあたしには返って辛くて
あたしの胸をちくりと刺す。


いつかまた昔みたいに笑える友達になれるかな。
そんなの、あたしの気持ち次第なんだけど。


「ただいま」

返事はない。
きっとお母さんは仕事だろう。
お父さんは単身赴任中でずっといないし。

何となくテレビを付けた。
どっかのお笑い芸人が笑ってる。
あたしも笑ってみた。
虚しさが募るだけだった。
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