歪み
「何のこと…?」
全く見当がつかなくて怖くなる。
抱きついたまま可愛い瞳に
涙を溜めてあたしを見上げた。
「彼氏のこと。
彼氏って有君の事だよ。
二股かけられてたくせに図々しく
彼氏なんて言って。
自分でも馬鹿だってわかってた。
いくら頑張っても有君は…
私なんて好きになってくれないのに」
初めて見る花奈の表情だった。
今まで全然花奈のことを見れてなかった
自分が恥ずかしい。
「怖かった、真柚に嫌われたらって」
…あたし、何してたんだろう。
最低だ。
「花奈っもういいよ。
花奈事責められないのあたし。
あたしの方がずっと嘘ついてた。
これから言う事聞いてくれる?」
今までの事全部花奈に話した。
自分でもこんな勇気があったなんて驚いた。
絶対話さないようにしようと思ってたから。